句具ネプリ 2022年 秋分 Vol.7(追記あり)

句具ネプリ 初めて参加させていただきました。

いい句がたくさんあって選びきれない。あと感想長くなるので(^^; 一読して気になった句についてこちらに少し書いてみます。後でまた追加するかもしれません。

 

容疑者の多きドラマや落花生
河添美羽

 

落花生が抜き取られるところが目に浮かびました。地中でつながっていて、ひきぬくと驚くほどたくさんの落花生が現れる。1人の人間が死んだことによって浮かび上がる人の多さ。思えば人間が生きていくということは多くの人がかかわるということで、地中でつながっている落花生のようなものだと、生きるということを壮大に考えさせられました。同時に、ドラマを見ながらぱりぱりむいて、ぽりぽり落花生を食べてる(散らばる!)ところも想像できて楽しい句だと思いました。

 

キリンの仔しつかりキリン秋さやか
稲畑とりこ

 

あんなに小さいのに模様も姿も色もキリン!という当たり前のようでいて奇跡のように不思議な姿。秋さやかという季語が、キリンの繊細な模様やまつ毛を思わせて心地よい句です。

 

月を待つカヌレにちょうどいいお皿
後藤麻衣

 

カヌレとマカロンは鑑賞するものではないかと思うのですが(笑)

カヌレは崩れることのないしっかりとしたきれいな形で、それにぴったりのお皿がある、カヌレを載せる、その完成された光景と、食べれば甘いお菓子。わくわくする気持ちと食べた時の満足感と、月を待つという季語のとりあわせがとても好きです。